アートメイクは専用の針を使って皮膚の表面近くに色素を入れていく施術です。
このような施術は医師法では医療とみなされ、医師免許を持たないものが行うことを禁止しています。
ですが、現実には医師が常駐しないエステサロンや医師が施術を行なっていないクリニックなどが横行しているのが現実です。
ここでは、日本の医療管理者である厚生労働省の考えをもとにアートメイクの安全性について法的な面から見ていきます。
厚生労働省のアートメイクに対する見解とは
厚生労働省が2001年に各都道府県宛てに送付した「医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて」という通知によると、脱毛行為と同じようにアートメイクの施術も医師以外の者が行うことを禁止しています。
文面では、「針先に色素を付けながら皮膚の表面に墨等の色素を入れる行為」に対し、「保健衛生上危害の生ずるおそれのある行為であり、医師免許を有しない者が業として行えば医師法第17条に違反する」と厳しく警告しています。
違反行為者に対しては、行為のすみやかな停止を勧告し、指導を行っても改善が見られない場合は悪質とみなして、告発を念頭に警察と適切な連携を取るように各都道府県に要請しています。
アートメイクのトラブルと現状
アートメイク施術のトラブル
アートメイクは、設備が整った場所で正しい知識を持った医師の手によって施術を行えば、決して危険なものではありません。
ですが、医師による施術でも時には「いつまでも痛みや腫れが引かない」、「皮膚が化膿した」などの皮膚トラブルが起きることがあります。
そのような場合でも、医師による施術であればすぐに対処して治療することができます。
違法サロンなどでの施術は医療機関よりも料金が安いなどのお得感があるかもしれませんが、後のリスクを考えると正規のクリニックを選んだ方が無難です。
料金の安さよりも肌トラブルのリスク軽減を優先して、アートメイクの施術を行うようにしましょう。
実際のサロンやクリニックの現状
実際にアートメイクの施術を行うサロンやクリニックでは、「医師が全く存在しない違法サロン」や「医師がいる場合でも、施術は医師の資格を持たない者が行っているクリニック」などが多数存在しています。
また、医師によるカウンセリングを行った後、実際には看護師が施術するケースも少なくありません。
医師の指導のもとで看護師が施術をするのは違法ではありませんが、施術者の確認をしっかりと行ってから施術を受ける必要があるでしょう。
施術トラブルを最小限にするには?
医師法では、医師以外によるアートメイク施術を受けた場合でも顧客が罪に問われることはありません。
しかし、後のリスクを考えると、施術前の段階で「設備が整った衛生的な施術か」、「施術者が医師であるか」などの確認はしておいたほうが良いでしょう。
そのうえで「アートメイクの施術に熟練した医師であるか」をチェックできれば安心です。
厚生労働省の警告にもかかわらず、違法でアートメイクを行っているサロンやクリニックは数多く存在します。
まずは施術を受ける側が注意することで、施術トラブルを最小限にできることを知っておきましょう。